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第1章 うまくいかない恋ばかり

「はる、はる、もう着くよ？」
楽しいような地獄のような時間はあっという間。
九条さんの最寄り駅が近づいてきた。
「うーん…うん…」
よほど眠たいのであろう。
九条さんは小さな子どものように目をこすっている。
「うー…あれ、京くん？」
「もう電車着くぞ」
俺は笑いながら話しかけた。
「あー、ほんとだ。んじゃあ…おやすみ」
九条さんは半分寝ぼけながら電車を降りた。
「うー、大丈夫かなぁ…」
高原は心配そうに窓の外を眺める。
俺も心配だ。
「メールしておいたほうがいいかなぁ…いや、電話を…」
「そんな心配しなくても、駅前に住んでるんだからさ。」
「でも、途中で寝てないか心配だよ。」
高原は何を言ってるんだ。
そんなこんなで、俺たちも最寄駅に着き解散した。
「また3人で飲もうな！はるも楽しみにしてるんだ。」
高原はそう言って、自転車をこぎだした。