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幼馴染と発情期
第6章 ぶきっちょ
瑛士(エイジ)君と出会ったのは4歳の頃。
瑛士君がお隣のお家に引っ越してきたのが始まりだった。
同じ歳という事で私は瑛士君とよく遊ばされた。
でも…男の子の遊びは乱暴で私はいつも瑛士君と遊ぶ度に泣いていた。
「めーいー!早くしろよー!遅いよ!」
瑛士君はジャングルジムにどんどん上がっていく。
「…えい君待って…」
私も瑛士君に続いて頑張って上がる。
上に上がるものの高くて降りられない。
「ふぅッ…高い…」
「愛依(メイ)の弱虫!オレは先に降りるからな!」
そう言って瑛士君はさっさと降りてしまい、私を置いて帰ってしまったり、ある時は私のお人形を壊したり、またある時はお砂場で作ったお団子に瑛士君が突っ込んで来てめちゃくちゃにされたり。
瑛士君はすぐ泣く私の事が本当は嫌いだったんだと思う。
小さい頃の瑛士君と一緒の写真はいつも泣き顔だった。
中学になっても私が男の子に告白されると何故かその相手の男の子と喧嘩をしていつも告白はなかった事にされてしまったり、プールのある日に水着を隠されたり相変わらずだった。
そんな瑛士君と高校も同じ。
私の事嫌いなのにどうして違う高校行かなかったのかな…。
小さい頃から普段すごく仲良しなわけじゃないのに朝は瑛士君と一緒に登校していた。
瑛士君の方がいつも先の方を歩いてるけど。
「愛依。おせぇ…いい加減着いて来られねぇのか?」
「待ってぇ…キャッ」
急いで瑛士君に追い付こうとすると躓いて転んでしまう。
「ふゥッ」
「泣くな!ちょっとコケただけだろうが…」
高校生になって変わった事はこういう時に私の所まで戻って来てくれる事。
小さい頃から瑛士君に泣かされる事が多いのに…なのに私はいつも瑛士君の後をくっ付いて歩いた。