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幼馴染と発情期
第8章 思春期


席に着こうとした時だ。


佐々木先輩が教室の外にいて私を呼んだ。

急いでそこへ向かった。


「…どうしたんですか?」

「あのさぁ…あいつ」

「え?」


佐々木先輩が指した先には賢がいた。


「お前さっきあいつと公園でキスしてただろ?」


うわ…見られてたんだ…。


私は黙り込んだ。


その時。


「何か俺に用っすか?」

「は?」

「今、俺の事指差してたから何かと思って」

「じゃあお前に聞こうか。さっき華織とキスしてただろ?」

「…正確に言うと俺が勝手にしたけど?」


すると佐々木先輩は私の腕を思い切り引っ張り、私を壁に追い詰めた。


「てめ…俺と付き合ってるくせに他の男にキスなんかさせてんじゃねぇよ!」


佐々木先輩は手を振りかざした。

ぶたれるッ…

そう思った瞬間賢が佐々木先輩に飛びかかった。


「華織に手を上げんな!殴るなら俺を殴れよ!俺が勝手にした事だ!」

「何お前…こいつに惚れてんの?狙ってんならこの女止めた方がいいぞ。この女が本気になる事ねぇから!華織に惚れさせるってダチと賭けてたから俺もちょっとは頑張ったけど…思い通りにならねーからマジでつまんねぇ。あ、セックスの時に撮った写メくらいは記念になったな…見ろよエロい身体してるから」


あの時のだ…消したって言ってたの嘘だったんだ。

あんなの賢に見られたくない…


「…賢…見ないで」


私は急いでそのケータイの画面を手で隠した。
すると、賢はそのケータイを取り上げた…と、思った時だ。


―ガンッ!!ガンッ!!


なんと机の角に思い切り画面を叩き付けて画面を破壊した。


「あれー?画面何も写ってねぇけど?」

「お…おい!人のケータイ!まだ変えたばっかなんだぞ!」

「何?もうこれいらねぇ?壊れたら修理出すのと新しいの買うのと大して値段変わらないから新しいの買った方がいいぞ。捨てといてやるよ」


賢はそう言って廊下の窓を開けて外のプールの方目掛けて壊れたケータイを思い切り投げた。

すると、結構距離もあるはずだけど…ケータイはプールサイドにぶつかり、その弾みでプールの中に落ちた。


「ざけんな!水没したらデータ完全に消えるだろ!…クソッ覚えとけよ!」


そう言って佐々木先輩は賢を一発思い切り殴り、ケータイの元へ走っていった。
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