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幼馴染と発情期
第15章 王様と私


俺は何も考える暇なく、城を馬に乗って飛び出した。


エマは見合いでもしたのかとばかり思っていたが、違った。


あの家に嫁いで良い事があるわけがねぇ…。あの家の息子は変態で有名だ。前に性犯罪を犯して城に来た事があった。あんな奴にエマを渡してたまるか…


町に教会は一つしかない…結婚する前ならまだ止められるかもしれない。


教会に着いて、正面には人が大勢いて俺がいる事がわかれば騒ぎになる。


俺は裏から教会の中に入った。


そして、急いで式を挙げている場所に踏み込む。


すると、何が起きたのかエマがあいつに押し倒されていて、今にもあいつの拳がエマに振りかざされる所だった。


周りにいた人々が止めに入ろうとする中、俺は誰よりも先にあいつの拳を掴んだ。


「ンダァ!?邪魔すんじゃ…」

「お前……誰に物言ってんだ?ア?」

「こくっ!お、おおおお王様!!?ヒィィ…とんだご無礼を!」


掴んだ拳をそのままグイッと後ろに曲げる。


「この神聖な場所にふさわくない事してるじゃねぇか?」

「イタタタタッお、お許しを!」

「チッ…お前なんかにかまってる暇ねぇんだよ…勝手にエマの事連れて行きやがって。お前の処分は後で決める」


俺は手を離してエマの所へ駆け寄った。
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