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君の弱点と私の本性
第3章 もらってもいい

「ふん!ざまあみろ!」
床に座り込んで自分の脛をさすっている京を睨みながら私はベッドの上にあるパジャマ代わりのトレーナーを手に取った。
「椿…彼氏にそんなことすんの…」
んー京の弱点は弁慶…いやいや、そんなの私も弱点だわ、なんて自分でツッコミをいれていたら
「椿、処女奪うよ?」
ちゅっと頬に唇を当てた。
「ふざけんな!」と言いながら回し蹴りをしようとすればピョンと後ろにジャンプでかわした…わりとやるな!
「ていうかね?展開が急過ぎ!私はただ、弱点を知りたいだけー…あっ!」
口元を慌てて隠しても時すでに遅く、ジリジリ近づいてくるから後ろに下がればベッドにぶつかって座り込んでしまった。
「弱点?俺の?…なーんだ、そういうことか
てっきり俺は今回首席取っちゃったから椿が俺に興味を示してくれたのかと思ったよ」
興味…?確かに興味はあるよ
「なのに昨日はいつもと変わらず平然としてて、今日の朝はあえて椿と同じ時間の電車乗ってさ、声かけようかと思ったのに椿の周りだけサラリーマンに囲まれてんのな、勿論痴漢はされてるし
でも、ちょうどいいと思ったよ」
そこまで言って、私の上に覆い被さってきた京は深呼吸をした。
「椿が痴漢に感じてる変態だって揺さぶろうかと思った。
でも、椿がホームで突然ジジイ!とか声を荒げて…プッ!ごめん、俺あの時笑うのめっちゃ堪えてた…!
しかも、ずっと触りたいと思ってた椿の手が俺の手を包んでてポーカーフェイス頑張ってたんだ」
そう言って私のことを強く抱きしめた。
「俺、入学式の時から椿が好き。
新入生代表の時の椿がすっげー地味でダサくて、でも目が離せなくて、同じクラスだし接点あるかな〜って思ったら椿友達いねーし、気づいたら俺は俺で相手の顔色ばっか伺っててさ」
どくん、どくん、と脈打つ鼓動が耳元で鳴り響く感覚がする。
「今日、椿とちょっとだけ一緒にいて安心感あった
ねえ椿…俺のこと好きになって?」
キュと私のブラウスを掴んだ彼の手が微かに震えてて
私は今までにないくらい真剣に頷いた
京、少しだけ待ってて、あなたの事ちゃんと知るから

