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君の弱点と私の本性
第4章 全てに刻みたいよ

「いや〜伊月がクラス委員でほんっとに助かるなぁ!」
「そんな、恐縮です」
会場設営は運動部が助っ人に来てくれたので予定時刻の15分も早く切り上げることが出来て、その勢いで私は冊子作りもあっという間に終わらせた。
「ところで伊月、今回の学期末はどうしたんだ?」
教室で待ってるはずの京のためにも早くこの資料室から出たいのに突然そんな言葉を投げかけられて、無視も出来ないので愛想笑いを浮かべて適当に返事をした。
私だって…知りたいっつーの!……………あ!
「あ、あの先生」
頭に浮かんだ謎がそのまま声に出していた。
「獅童くんって、もともと頭良いんですか?」
「…うーん、TOP50には常にいたがそれほど良いわけじゃなかったぞ?
多分、学期末で来年のクラス編成が決まるから本気を出したんじゃないか?」
豪快に笑う先生に謎がさらに増えた。学期末でクラス編成?どういうこと?
「そうなんですか、次は彼に勝ちたいと思って…
あ、じゃあ時間なので失礼しますね」
そう言って資料室から出たら目の前に京がいた。不機嫌そうな顔をして私の目の前にマフラーと鞄を差し出してくれたので礼を言って受け取った。
「椿…早く終わったんじゃないの?」
シュンと落ち込んで眉毛を八の字にした京が可愛くて、そういえば会場設営の後に自分からメッセージを送ったことを思い出した。
「うん、でも冊子作りもあったからね?これでも早いと思うよ」
先生と会話しちゃったけどね、という言葉は飲み込んでそのまま並んで下駄箱へと向かって行った。
「あ、ねえ今日泊まったりする?」
私の駅で降りて家までの道中に訪ねたらすぐにそのつもりと返ってきたから、スーパーに寄ることにした。
「椿って、料理できるの?」
「もちろん、でなきゃお昼とか購買で買うでしょ」
「京、食べたいのとかある〜?」
んーどれが安いかな…カレーは楽だけどなんかありきたりな気がするしなぁ
「椿」
「椿が今すぐ食べたい」

