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君の弱点と私の本性
第1章 付き合って



付き合って って今、言った?


「伊月さんって、そんな顔もするんだね

返事、聞かせてよ?」

「付き合って?の?返事…?」

思考回路がショート寸前で、緊張で口が乾いて喉がカラカラしてる。

「うん、俺と付き合って」


そう言った獅童の瞳を彼の眼鏡越しに見つめられ、私は自分が痴漢に遭った事を忘れていた。


代わりにコンマ1秒、ショート寸前の脳が彼の弱点を知れて、且つ黙ってくれるんだ。と変換した。



「わ、わかりました」


反射的に答えた私は彼の手を掴んでいた手を離したら


「ん。じゃあ学校行こうか?手はこっちでいいよ」


慣れたように右手が彼の左手と繋がってそのまま改札口へ向かった。

そうか、電車のホームで告白されたのか、なんて骨ばった彼の左手に視線を向けたまま、ぼんやり考えていた。





起きている状況に脳が追いついたのは学校に着いてからだった。






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