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白い飛沫(しぶき)
第14章 人気作家

「うふふ、別にバレてもいいじゃない。
吉岡とあなたは穴兄弟なんだし。うふふ」

えっ?穴兄弟?じゃあ、君は吉岡とも…

「えっ?さっき、
このことは会社に言わないでって言ってたよね?」

「ええ、私が誰とでも寝るサセ子さんみたいに思われたくなかったから。
吉岡はいいのよ、彼、口が固いし」

そうなんだ。
磯崎さんってほんとにSEXが好きなんだなあ。

僕の担当、吉岡から磯崎さんに変えてもらおうかなあ・・・

衣服を整え、僕は何事も無かったかのように、
デスクに向かい、ペンを走らせた。
と、同時にドアが開き、吉岡が帰ってきた。

『えっ?今夜は帰らないんじゃ・・・』

「あら、吉岡さん。早かったんですね」

吉岡はクンクンと鼻を鳴らすと、
ベッドの羽毛ふとんをめくりあげた。
そこにはおおきなシミが残っていた。

「磯崎さん・・・また男喰いしましたね! 
先生!!先生もいい思いしたんだから
早く仕上げてくださいよ!」

「はあ・・・すいません」

「まったく、こんなおおきなシミをつくって・・・
よほど大量の白い飛沫をこぼしたんでしょうな。
ん?『白い飛沫』・・・
いいねえ!先生!次の作品、
題名は『白い飛沫』にしましょう!」

『白い飛沫』かあ・・・いいね。
理恵への思いを文章にしたためようか。
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