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白い飛沫(しぶき)
第6章  里中美智子
ただ、順也の性の進歩は著しい。

近い将来、きっと抱きたい、挿入したいと言ってくるだろう。そうなったら・・・

実は、私はまだ処女。

初めての男は経験豊かな男がいい。順也にはあげることができない。

求められた時が、この甘い関係の終焉を迎える時だ。
ならば、順也に求められる前に、女になっておきたい。そうすれば、順也を拒む理由は無くなる。甘い関係を解消する必要もなくなる。

私を女にしてくれる男・・・
経験豊かな若い男・・・
誰がいいだろう・・・。

化粧をして、大人ぶった衣装で夜の街に出れば、誰かが声をかけてくれるだろうか。
だめだ。声をかけてきた男が経験豊かで上手とは限らない。

そうだ!従兄弟の良明なら・・・

ときたま街で見かけるが、その度にちがう女を連れて歩いている。
聞けば高2の若さで、すでに何十人もの女と寝たと自慢げに話していたっけ。
良明ならば私を女にしてくれる相手として申し分ないだろう。

美智子はベッドから体を起こして、電話の受話器を手に取った。
ダイヤルを押す指が微かに震えている。
「やだ、もう緊張してる・・・女にしてもらえるのよ。喜びなさい美智子。」自分自身を励ましながらダイヤルを押し終えた。

ツゥルルル・・ツゥルルル・・

何度目かの呼び出し音の後、『はい。』と、良明の声がした。

「もしもし、良明?私、美智子です。・・・ええ、お久しぶりです。」
折り入って話しがあると用件を話し、良明の都合のいい日時に会うことにした。
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