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白い飛沫(しぶき)
第11章 新たな恋
理恵の心は沈んでいた。

ユウは日本へ帰国してしまった・・・
私を女にして・・・

あの夜のことは一生忘れない。

ユウは愛の証を刻みたいと言った。

その思惑どおり
私はユウのことが忘れなれなくなった。
もう一度ユウに抱かれたい・・・

ユウが去った後、
何人もの男がアプローチをかけてきた。

しかし誰もユウほど魅力的な男はいなかった。

魅力的であれば、
アプローチされれば受けてみてもいいとは思うのだが・・・

男たちは自分の魅力のなさを棚にあげて、
なかなか首を縦に振らない理恵のことをプライドの高い女と揶揄するようになった。

私だって彼氏は欲しい。
燃えるような恋がしたい。
これから先、素敵な男が現れるかしら。



新たな出会いは唐突にやってきた。

ハイスクール2年のとき、
英会話もかなり堪能になってきたので、
思い切ってバーガーショップでアルバイトをしてみることにした。

アルバイト初日のこと・・・

「Rie Kawaharaです。
今日からアルバイトでがんばりますので、
よろしくお願いします」

朝のミーティングで元気一杯の挨拶をした。

「OK。チーフのジェフリーだ。
ジェフと呼んでくれ。
ジャパニーズだからと甘えるんじゃないぞ。
わからないことは何でも聞いてくれ。」

ジェフはオーストラリア人で、
少しオーストラリアなまりの英語で
理恵にきびしく接待業を教えてくれた。

2週間も過ぎると、
かなりアルバイトに慣れてきた。

「Rie。かなりがんばっているね。
ご褒美に今夜、君をディナーに招待したいんだ…」

青い瞳に見つめられ、
少しドキッとしてしまった。

もちろん断る理由もないし、
オッケーと即答した。

「よかった。
君にはずいぶんきつく指導したから
嫌われているかと思ったよ」
そう言って笑った。
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