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えっちなハプニング♡短編集
第6章 夜のOfficeで
* * *

「〜〜矢野、ちょっと」


寝不足でふわふわした心地の昼下がり、私の名を呼ぶ大好きな声にハッと意識を取り戻す。

「えっ、あ…中嶋さん…!」

「うん、矢野、あの書類どうなった?」


…仕事モードの彼はびっくりするくらいいつも通りで、昨晩のことが夢みたい…いや、本当に夢なのでは…?なんて思ってしまう。

「あ、ここ訂正しておきました…」


…やっぱりドキドキしてるのは私だけなのかな、なんて考えならそっと書類を差し出すと、中嶋さんはまたいつも通り……

胸ポケットから、彼が愛用しているボールペンを取り出した。


「……!」

途端に昨日の記憶が鮮明に蘇り、顔が熱くなるのを感じる。

「…うん、いいんじゃない」


書類に一通り目を通した彼は、またまたいつも通りその場を立ち去る…かと思いきや、私の顔を覗きながら一瞬いたずらっぽい笑みを浮かべた。


「…矢野、顔赤いね。風邪?」

そう言って彼は、ボールペンで熱い私の頬を撫でると、今度こそ立ち去ってしまう。


ゆ、夢じゃなかった…!


ドキドキしすぎて壊れそうな胸を抑えながら、ゆっくりと深呼吸をする。


大好きな人との幸せな物語は始まったばかりだった…


*fin.*
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