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えっちなハプニング♡短編集
第7章 王子様と地味子ちゃん
(……別にいいんだ、目立ちたくないし。
地味な方が、楽だもん。)
心の中での呟きにひとり頷きながら腕時計に目をやると、
図書室が閉まるまであと10分ほどだった。
慌てて廊下を駆け出すが、誰も気に留める様子はない。
(地味すぎて、見えてなかったりして。)
もういっそこのまま、透明人間にでもなれたら楽しいだろうな…なんて、あながち夢じゃないのかもしれない。
だって現に、私にぶつかったことすら気づいてもらえないのだから………
私の思考回路は、本が落ちる音と肩への衝撃で途切れた。
腕時計を見ながら走っていた私も、確かに悪い。
でも、彼が私も知っているくらい有名なイケメンだからって……
足元に本が転がるまで、ぶつかったことにすら気づかないなんてどうかしている。
私が慌てて本に手をのばすよりも早く、彼はそれを拾い上げる。
「ああ、ぶつかっちゃったのか。悪りぃ悪りぃ。
…これ、地味子ちゃんの?」
これが彼との始めての会話だった。
地味な方が、楽だもん。)
心の中での呟きにひとり頷きながら腕時計に目をやると、
図書室が閉まるまであと10分ほどだった。
慌てて廊下を駆け出すが、誰も気に留める様子はない。
(地味すぎて、見えてなかったりして。)
もういっそこのまま、透明人間にでもなれたら楽しいだろうな…なんて、あながち夢じゃないのかもしれない。
だって現に、私にぶつかったことすら気づいてもらえないのだから………
私の思考回路は、本が落ちる音と肩への衝撃で途切れた。
腕時計を見ながら走っていた私も、確かに悪い。
でも、彼が私も知っているくらい有名なイケメンだからって……
足元に本が転がるまで、ぶつかったことにすら気づかないなんてどうかしている。
私が慌てて本に手をのばすよりも早く、彼はそれを拾い上げる。
「ああ、ぶつかっちゃったのか。悪りぃ悪りぃ。
…これ、地味子ちゃんの?」
これが彼との始めての会話だった。