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向日葵を君に…
第12章 不安
付き合って初めての夏休みは忌まわしいことに、結花を何処にも連れていけない。
仕方ないけど虚しい!
何処にも連れていってやれない俺の為に、結花は毎日お見舞いに来てくれた。
ガラガラッ
「穂高ー!来てやったぞ」
「…なんだ、また弘貴か」
「なんだとはなんだ!親友が見舞いに来てやったっていうのに」
「穂高君、具合どう?」
「あ、天井も来てくれたんだ」
弘貴の後ろからひょこっと天井が出てきた。
「オイ!俺とちよ子に対しての明らかに声のトーン違うだろ!浮気か?ちよ子のこと狙ってんのか?高野!浮気を見過ごすのか?」
「ちよ、槇野の事黙らせて?」
「へ?あ、弘貴っ!病院なんだから静かにしなくちゃ駄目だよ」
天井がそう言うと弘貴は言うことを聞いて静かになる。
弘貴でも天井の言うことちゃんと聞くんだ…。
すると、結花は立ち上がって天井の腕を掴んだ。
「私達、外でお茶してくるから」
「あ、うん」
二人は行ってしまった。
結花は誰かがお見舞いに来ると毎回席を外した。
いてくれてもいいんだけどな…。