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向日葵を君に…
第14章 向日葵を僕に。
「―それでは、誓いのキスを」
現在結婚式の真っ最中。
新郎は新婦のベールをゆっくり捲り息を飲んだ。そして、なかなか動かない。
「…ねぇ…どうしたの?」
「いや…ちょッ!みんなあんまり見るなよ!恥ずかしいだろ!」
「もう…弘貴…こんな所で騒いじゃダメだよー」
俺の隣にいた結花は溜め息をついた。
「あいつ…」
あ、この結婚式は俺達の結婚式ではなく。
天井と弘貴の結婚式。
俺達は今年で25歳だ。
めでたく天井と弘貴は結婚したわけだけど、一方俺達はというと…去年結婚していたりする。
3年前に結花のおじいちゃんは他界してしまい、結花の強い要望で現在はあの結花の家で結花のおばあちゃんと共に三人で暮らしている。
そして、今年家族がもう一人増えます。
そう。
現在、結花のお腹の中には俺達の子供がいる。
俺達が親になるなんて信じられないけど、紛れもない事実だ。
もう臨月だけど予定日までだいぶあるので、弘貴と天井の結婚式には参加した。
しかし、もうすぐ会えると思うとかなり緊張するな。