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向日葵を君に…
第1章 デブはキモイですか?
そんなキモい呼ばりされていた俺にも優しくしてくれる女の子がいた。
最近隣の席の水野(ミズノ)さん。
優しい上にかなり可愛い。
何で優しいかって?
それは、ついさっきの事。
数学の授業の時だ。
「抜き打ちでテストを行います。教科書しまってください」
教科書をしまうとさっきまで机の上にあったペンケースがなくなっていた。
「あれ…?」
離れた席のあの3人組が笑っているのが見えた。
まただ…
こんな事して何が楽しいのかわからない。
でも…どうしよう。
「…穂高君?」
「え?」
「もしかして書くものないの?」
「あ…うん」
「これ使って?」
水野さんはそう言って消しゴムとシャーペンを貸してくれた。
「でも…」
「大丈夫、予備のだから」
笑顔でそう言ってくれた。
こういう優しい笑顔を向けられたのは何年ぶりだろう。
一年前に死んじゃったおばあちゃんの笑顔以来かな…。