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向日葵を君に…
第4章 キャンプ
テントに戻ると、2つのテントは静かだった。
「二人とも寝たみたいだね」
「そうみたいだな…じゃあ、また明日…おやすみ」
「ん…おやすみ」
くそ…明るいところで高野の顔ちゃんと見ておやすみを言いたかった…。
そんな事を考えながらテントに入る。
あれ?…俺の寝る場所がない。
うっすらと明かりを点けると天井と弘貴がぴったりくっついて眠っていた。
「ん…Zzz…ひろ…き」
天井はめちゃくちゃ幸せそうな顔でそんな寝言を呟いて眠っていた。
俺は静かに電気を消してテントを出た。
すると、同時に高野もテントから出てきた。
「ねぇ、ちよ子がいないんだけど」
「…こっちで寝てます」
「え…起こさないの?」
「無理!天井、めちゃくちゃ幸せそうな顔で寝てるし…」
俺達は二人で黙り込んだ。
「…こっちのテント来る?」
「だ、駄目だよ!…俺、朝までその辺で適当に過ごすから気にしないで」
「穂高がそうするなら私もそうする」
「高野はテントで寝てなよ!」
「穂高がテントで寝ないなら私もテントで寝ないから」
高野はそう言い張った。
そんな事言われてテントに入らないわけにいかないでしょ…俺が高野に何もしなければいいわけだ。