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向日葵を君に…
第4章 キャンプ
あと三センチ…一秒もあれば奪える所。
整った高野の顔が目の前にある。
そこで止めた。
奪えるわけない。
だって…すっごい好きなんだよ。
出来るわけない…何かして高野に嫌われたくない。
でも…この状況…高野が悪いんだからな!
俺は抱き着く高野を抱き寄せて、高野の背中に腕を回した。
これが…臆病者の俺が出来る限界の手出しだった。
絶対寝れないと思っていたけど…高野が腕の中にいるとなんだか…安心する。
心なしか良い匂いがするような気もする。
こんなに安心しきって眠ったのは何年ぶりだろう?
…………
目が覚めると目の前に高野がいる。
「高野っ!?」
「…何驚いてんの?この腕何?」
指摘されて俺はパッと腕を離した。
「ごめんっ…」
「あんなに安心してって断言したくせに」
「た、高野だって悪いよ!境界線越えてきたのは高野だろ!俺じゃなかったら…」
「俺じゃなかったら?どうなってたの?」
「それは…その…俺だって危険な男だし…」
高野は面白がってる…なんか珍しく楽しそうだし…。
「穂高って危険な男だったんだ?童貞なのに私の事襲って満足させられる?」
「………もういいよ!俺が悪かった!」
俺はフンと高野のいない方を向いた。