この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater31.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夜の密会
第3章 第三夜
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
職場の上司に失礼なことを言っているのはわかっていた。
それでも、今日は1人ではいたくない。
かと言って、32歳にもなって未経験の自分。
ああ、振られた理由はそれだったのかな。
拒んでいたわけでもない。
誘われることもなくはなかった。
きっと自分に魅力を感じなかったのかもしれない。
そう思ったら虚しくなったけれど、もうどうでもよかった。
部長の顔を見ることも出来ない。
取り消せたらいいな。やっぱり家に帰ったほうが良いのかも…
頭の中でいろいろな考えが浮かんでいる中、静かに車が発進した。
驚いて部長に振り向くと、真剣な表情で目の前を見つめていた。
「ぶ、ぶちょう…」
「帰るなら今だ」
静かに、低い声でいう部長は怖いというわけではない。
「本当にいいんだな」
「……っ、はぃ…」
答えた瞬間、車のスピードが上がった気がした。
![](/image/skin/separater31.gif)
![](/image/skin/separater31.gif)