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夜の密会
第1章 第一夜


スイッチを入れられた状態で体を離し、スケジュール確認をして社長室を後にした。
ドアに体を預け、自身の両手で熱った頬に触れる。


今日のスケジュールはいつもと比べてスムーズに終わるものばかり。


『夜の予定は入れないよ?スケジュールの心配はいらない』


『本当なら昼間も空けたいのに』


『昼間の開放的なデート、どう?』


『夜は夜で、人目を忍んで会うのもイイけど』




つい今さっき言われた言葉を思い返し、また頬が熱くなる。

社長と私の関係は誰も知らない。
もちろん、パトロンであることも。
パトロンと知っているのは、会長のお祖父さんだけ。

秘書である私なんかとの関係が知られたら会社や社長に迷惑がかかる。幼い頃からお世話になって来た人にそんなことをさせたくない。

この考えは社長は知らないけど、とにかく会えるのは秘書としての時間と夜だけと伝えた。


それを聞いた社長は激怒した。
社長宅も出て、こんなワガママを言ったらそうなるのも当たり前なのだけど。




私は、ポケットにあるコンパクトで口紅の確認をして、秘書室に戻った。

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