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花に酔う
第4章 椿 *
身体の脇に置かれた両手。
右手でその左肩に触れ。
腕をなぞり……指を取る。
そのまま身体を起こし。
両の手で。
その彼女の指を……撫で……感触を確かめた。
寄せた唇。
甲に口づける。
はあ……と。
僕の唇からたまらず漏れる息。
高まる気持ちが、そうさせていく。
何度も。
その手に、口づけた。
指にも。手のひらにも。
口づけたまま、つつ……と手首に滑らせる唇。
……まだ癒えていないその傷にも。
そっと舌を這わせる。
一瞬手を引きかけた彼女。
それを許さずに、続けた。
丹念にそこを舐め。
それからまた、上へと滑らせていく唇。
辿り付いた肩。
そして、首筋。
すぐそこにある彼女の顔。
口づけを顎に。
……頬に。
それでも拒もうとしない彼女に。
僕は顔を離し……その表情を見る。
親指でその唇に触れ……そのまま少し、中に入れた。
微かに開いた唇にそっと顔を近づけていくと――――ゆっくりと目を閉じた、彼女。
……重なる唇。
その、柔らかさ。
ぴりぴりと痺れていく感覚を覚え、思わず離す。
けれど、誘うような艶を発しているそこの誘惑には抗い切れず、僕はまた、重ねた。