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花に酔う
第1章  紅薔薇


目が覚めて。
溢れ出る涙を堪えきれなかった私は両手で顔を覆った。 


なぜならば。
思い出したから。

遠い昔。貴方がくれたその花を。


その事実は。
今の私には、とても。
……とても、苦しいそれで。


貴方を信じればよかったと。
素直になればかったと。


……今さら後悔しても、もう貴方は私のそばにはいないのに――――。



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