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花に酔う
第4章  椿 * 


対向車線の車が、センターラインをはみ出して。
彼と彼女が乗っていた車に、正面衝突。

彼は助手席の彼女を庇うような体勢だったという。

彼女は腕と足を怪我したものの、そのおかげか命に別状はなく――――。



かかってきたその電話。

泣き叫び。
僕に助けを求める……今まで聞いたことのない、彼女の声。


信じられない思いで駆け付けたその病院の白いベッドの上――――もう動かない、彼を見たとき。


僕は、身体の芯から沸き上がる、得体の知れない感情に全身が震え。
とても立っていられず。
僕が来たことにも気付かない様子で彼の身体に縋りついてひたすらに泣いている彼女の背後に膝をついた。


その、慟哭。


がくがくと身体を震わせたままそれを目の当たりにした僕は。
この自分を襲っている感情の正体に気付かないまま、彼女を背中から抱き締めた。


……まるで自分が、縋るかのように。




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