この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
花に酔う
第4章  椿 * 


彼女の絶望。
彼を喪ったことに耐えられないとでも言わんばかりのその取り乱し方。

抱き締める僕の腕を振り払い。
半狂乱になって、泣き叫ぶ。
無理矢理に押さえつけようとすれば。
僕の胸を殴り、そこから逃れようと暴れ。
そしてまた、彼の身体に縋りつく。



……僕は、いったい何てことを願ってしまったんだろう――――……。



彼がいなくなればいいのにだなんて。
消えればいいのにだなんて。

彼女の気持ちなど、何も考えずにそんなことを。



彼がいなくなったら彼女は僕を見てくれるはずだなんて――――いったい何を、僕は。



……こうやって、彼女のその姿を見せられて。
そんな簡単なことじゃなかったんだ、って思い知らされて。


『……ごめん……』


思わず唇から漏れたその言葉。
今の彼女にはきっと聞こえてはいない。



/129ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ