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可愛いヒモ~番外編
第1章 面接
「店長の三浦(みうら)です。はじめまして。今日はよろしくお願いします」
そう言ってその人は、俺の前に腰を下ろした。
身長はかなり高い。多分、百八十はある。ガタイのいい体つきと、堀の深い顔立ち。ぱっと見は、三十半ばくらいに見えるけれど、よく見ると目元に少しシワがある。意外と四十いってるかもしれない。
「はじめまして。君島麻人(きみじまあさと)です。よろしくお願いします」
ついまじまじとその人物を観察してしまった俺は、慌てて頭をさげ名前を名乗った。
「履歴書は持ってきてくれた?」
こわもての顔に、柔らかい笑みが浮かぶ。きっと営業用のものだ。
「はい」
俺は鞄から履歴書を取り出し、差し出した。緊張で、笑顔がこわばらないよう意識しながら。
飲食店でバイトをしようと思い付いてから、とりあえず終始笑顔でいようと決めていた。サービス業は、愛想大事っていうし。
三浦と名乗った店長は、履歴書に視線を落としながら、言う。
「大学二年生なんだね。高校生くらいかと思った」
「よく言われます」
つい苦笑いを浮かべてしまう。