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可愛いヒモ~番外編
第3章 友梨香の発熱騒動
「えーっ。やーりーたーいーっ」
部屋を出ようとドアを開けた瞬間、だだっ子みたいな叫びと再び咳き込む音。
俺はドアを閉めて、密かに嘆息した。まったくもう。ゆーりに学習能力って機能はついてないのかなー。
冷蔵庫を確認すると、牛乳もあるし必要な調味料も揃っていた。消費期限も大丈夫。
早速。ごはんと牛乳、調味料、ネギやらゴマやらを鍋の中に入れて、ぐつぐつと煮込む。ミルク粥は、小さい頃俺が風邪を引くと母親がよく作ってくれた。
簡単だし、栄養あるし、温まるし。一石三鳥くらいな、便利な病人食だと思う。
あとは最後に卵を散らすだけ。鍋を火にかけながら、まな板や包丁や計量カップなんかを洗っていると、ふいに背後に人の気配。振り向くと、ゆーりがひょっこりと顔だけ覗かせて立っていた。
「お客様ー。トイレはあちらですよー」
「……トイレじゃないし」
「じゃあベッド戻れ。もうちょっとでお粥できるから」
「じゃあ、それまでならいいでしょ?」
「は? それまでって?」
それまで何がいいのかわからず、首をかしげる。
ゆーりはずんずんと近づいてきて、突然俺の唇に口付けてきた。