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可愛いヒモ~番外編
第4章 女子力アップ大作戦

 ーーその日は、ゆーりの家を訪ねるのに連絡を入れなかった。
 バイトが暇で少し早く上がれて、次の日学校もなかったから、思いつきで彼女の家に行ったのだ。アパートにゆーりの車はあったし、連絡なく突然訪ねるのは初めてじゃなかったから、普通に迎え入れてくれると思ってたんだけど……。
 ゆーりの様子が、少し変だった。
 チャイムを鳴らし、数分。慌てて出てきたゆーりは、だいぶ焦っていた。

「あ、麻人……っ! どうしたの!? 急に」

 目も泳いでるし、やっぱり変。

「何が?」
「何がって……、急に来るから」
「来ちゃダメだった?」
「ダメじゃないけど……っ」
「じゃあ、お邪魔しまーす」
「わ、わっわっわっ!」

 玄関から上がり込もうとする俺を、ゆーりが必死になって止めてくる。
 ……これはもしや。

「部屋片付いてないんでしょ? また付き合う前みたいに、ゴミ屋敷に戻ってないよね?」
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