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可愛いヒモ~番外編
第2章 採用

 ーーあの人が言っていた通り、三日後くらいに店長から採用の連絡がきた。
 早速契約をしにまた店へ。書類にサインして、制服をもらって、緊張しながら迎えたバイト初日。

「あ、やっぱり受かったんだ!」
「うわっ」

 裏で着替え、厨房に顔を出した瞬間そう声をかけられ、飛び上がりそうなくらいびっくりしてしまった。
 振り向くと、面接の時に外まで送ってくれたお姉さんだった。

「お、おはようございます。はい、受かりました」
「受かると思ったよ。おはよう」

 相変わらず屈託のない笑顔。その笑顔は印象的だった。だけど名前が思い出せず、俺はそのお姉さんが胸につけている名札をこっそり見ようとした。
 だけど文字を読み取る前に、右手でばっと隠されてしまう。

「今名前確認しようとしたでしょ?」

 え、なんでバレたの!? というか、名前確認しちゃ駄目なの!?

「覚えてくれてないのね、二回も名乗ったのに」

 そう指摘され、内心ちょっと焦る俺。てか、違うタイミングならまだしも、同じタイミングで二回名乗られても、あんまり意味ないような。

「えっと……、ふな、こしさんでしたっけ?」
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