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藤の舞
第6章 治療4・電気療法
先生に声が出ても良いと言われても、こんなにふしだらで、欲求不満のような体を見られてしまい恥ずかしい。

だめ…もうやめて…

治療をですか?

そう先生、気持ちいいんです。治療なのに私堪えられません。


気持ちいい、我慢出来ない…イク…イッテしまう。

イクなんていつからないだろう。

痺れる…もうイクっ…


全身にビリビリと甘い快感が走る。気持ちいい。
体の快楽に心を流され、私は久しぶりの感覚に酔いしれていた。

先生、淫らな患者でごめんなさい。


心の中で色んな言葉が生まれるのに、それを発することなく、ただただ羞恥に堪え、自分を咎めていた。



先生は気づいているのに、平然と次の治療の説明をされている。

息も乱れる私の耳には電気という言葉しか入って来なかった。

電気、痛い、怖い…
そんなイメージの中で太ももに金属の棒が当てられる。

ヒヤッとした後、微かにピリピリとした痺れ。
先ほどのような恥ずかしいことにはならないだろうとホッとした。


椅子の握り棒の説明を聞いて、痛くなるのかと不安になり、いつでも握れるように準備した。

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