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藤の舞
第17章 童歌
ふぅ…ため息しか出ず、気分は重かった。
妻のことを考えたくもなかった。

そして、会合で妻と遭遇する前の予定通り、
会合が終了したことを彼女にメールした。

本当は、泊まり込みのゴルフということになっていたが、
彼女に会って話すとして、ただ泊まりは出来ないことだけメールした。


妻を責めるつもりは全くなかった。
自分も同じようなことをしているのだから…

そしてきっと、妻も俺もその関係はやめられないだろう。

あとは、夫婦という形に留まるかどうか…
そこは話し合うしかないだろう。


彼女から俺を心配するメールが入り、
俺の"状態の確認"が必要だと、
俺より早くいつもの場所に到着できるという返信だった。

俺の沈んだ気分が彼女と会えるというだけで、晴れてくる。

そういえば、自宅の隣駅ということにも、嫌な予感がしてたんだっけ…

自嘲しながら、家とは反対方向への電車に乗った。


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