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人妻短編集
第4章 人妻 麗子(45)
「熊谷さん、用意はいいかい?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ、行こう」
麗子は、中堅ゼネコンの事務員であった
今日は、都市再開発事業の入札前、最後に役所の事業責任者から説明を受ける日だった
上手く仕事を得られれば、会社に莫大な利益を生む仕事だ
麗子自身が何かをする訳ではないが、資料を準備して同行する日だった
重厚な役所の廊下を通った一番奥に、小会議室があった
そこで、一社ずつ説明を受ける
「どうぞ…」
小会議室の中から若い女性が出てきて、丁寧に入室を促した
「いやぁ、部長、ご無沙汰しておりますぅ」
麗子の上司の黒崎が、入室するなり腰をくの字に曲げて笑顔を作った
「失礼します」
会釈をして入室した麗子は、頭を上げた瞬間、その場に凍りついた…
あの男だ!…あの痴漢!…
部長と呼ばれた男も、一瞬眼鏡の奥で目を見開いたが、次にニヤリと笑った…
「じゃあ、そういうことで…」
「わかりました、部長、今日はありがとうございました…また近いうちに…」
黒崎は意味深なことを言った
「そうだね…よろしくお願いします」
黒崎と麗子は、頭を下げて退室しようとした
その時、「あっ、黒崎さん、ちょっと」
と、部長が黒崎を手招きした
麗子は、一人、退室し、ドアを閉めた
全身からどっと汗が出てきた
今、部屋の中であったことは何も覚えていなかった
「あの痴漢…が…部長…」
ドアが開き、黒崎が出てきた
「さぁ、熊谷さん、行こうか」
黒崎は、変な笑顔で言った
「はい…」
麗子の心臓は、まだバクバクと音を立てていた…
次の日から、電車の中であの男の姿を見なくなった
「さすがに、ビビったみたいね…」
麗子は、自分のデスクで仕事をしながら思っていた
「熊谷さん、ちょっといいかな…」
黒崎が麗子に声をかけた
そのまま、黒崎は部屋を出た
不思議な顔をしながら、麗子も続いた
「支社長がお呼びだ、僕も一緒に行く」
「支社長!?…が、私に何の用ですか?…」
「まぁ、とにかく行くよっ」
黒崎は、麗子をせかした
麗子は、急に不安になった
コン、コン
「失礼します」
黒崎と麗子は、支社長室に入った
「はい、大丈夫です」
「じゃあ、行こう」
麗子は、中堅ゼネコンの事務員であった
今日は、都市再開発事業の入札前、最後に役所の事業責任者から説明を受ける日だった
上手く仕事を得られれば、会社に莫大な利益を生む仕事だ
麗子自身が何かをする訳ではないが、資料を準備して同行する日だった
重厚な役所の廊下を通った一番奥に、小会議室があった
そこで、一社ずつ説明を受ける
「どうぞ…」
小会議室の中から若い女性が出てきて、丁寧に入室を促した
「いやぁ、部長、ご無沙汰しておりますぅ」
麗子の上司の黒崎が、入室するなり腰をくの字に曲げて笑顔を作った
「失礼します」
会釈をして入室した麗子は、頭を上げた瞬間、その場に凍りついた…
あの男だ!…あの痴漢!…
部長と呼ばれた男も、一瞬眼鏡の奥で目を見開いたが、次にニヤリと笑った…
「じゃあ、そういうことで…」
「わかりました、部長、今日はありがとうございました…また近いうちに…」
黒崎は意味深なことを言った
「そうだね…よろしくお願いします」
黒崎と麗子は、頭を下げて退室しようとした
その時、「あっ、黒崎さん、ちょっと」
と、部長が黒崎を手招きした
麗子は、一人、退室し、ドアを閉めた
全身からどっと汗が出てきた
今、部屋の中であったことは何も覚えていなかった
「あの痴漢…が…部長…」
ドアが開き、黒崎が出てきた
「さぁ、熊谷さん、行こうか」
黒崎は、変な笑顔で言った
「はい…」
麗子の心臓は、まだバクバクと音を立てていた…
次の日から、電車の中であの男の姿を見なくなった
「さすがに、ビビったみたいね…」
麗子は、自分のデスクで仕事をしながら思っていた
「熊谷さん、ちょっといいかな…」
黒崎が麗子に声をかけた
そのまま、黒崎は部屋を出た
不思議な顔をしながら、麗子も続いた
「支社長がお呼びだ、僕も一緒に行く」
「支社長!?…が、私に何の用ですか?…」
「まぁ、とにかく行くよっ」
黒崎は、麗子をせかした
麗子は、急に不安になった
コン、コン
「失礼します」
黒崎と麗子は、支社長室に入った