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夢…を…見させてくれますか…
第10章 遠くの愛より近くの優しさ?
「旦那さま…最近…山田由真と言う女性と頻繁にお会いになっているようです」
「女か………で、その女は…政界の娘か…有名人の娘か…」
「それは…一般の…同じ大学に通う女性です」
「なに?」
「現在…入院中で…楓さまは毎日病院に足を運んでおります。」
「楓を、すぐに連れてきなさい」
「はい」
大学から連れ戻された楓
「なんなんだよ」
「楓…わけのわからない女との付き合いはやめなさい…遊びならかまわん…」
「は?」
「お前の相手にふさわしい女性は父さんが見つけてある。だから心配しなくてもいいからな」
「僕は人を好きになることも相手も父さんに決められるんですか!!」
「当たり前だ、お前は私の息子だからな」
「俺は世界一不幸な人間です」
「世界一幸せの間違いだろ楓」
「父さんはなにもわかってない」
「楓…!!」
「彼女とは、遊びではありません!!僕の愛する女性です」
「それなら力ずくで引き離すしかないな」
「父さん!!彼女に指一本触れさせませんから!!そんなことしたら僕は、この家を出ていきます」
「楓!!」
「旦那さま…」
「本気じゃない…ここから出ていけるわけがない」
「旦那さま…いかがなさいますか」
「その女を調べろ…全てだ!!」
「失礼します」
「楓…どうしたの?」
「アネキ……アネキは幸せか…」
「え?急にどうしたの?」
「もうこんな家嫌だ」
「楓?」
「好きな女も、将来も全て決められて…生きた心地しない」
「はぁ…楓も…そう思う歳になったかぁ!!」
「アネキ」
「由真ちゃん…でしょ!!その原因…」
「アネキ…」
「やっぱりね…でも難しいわね…父さんが黙ってるわけないし」
「だよな」
魔の手は、ゆっくり由真の近辺まで伸びていた