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夢…を…見させてくれますか…
第11章 弟の反対
病室で…一人泣く由真
涙が溢れて止まらない…
消灯時間で暗い中…一人泣いていた…
…ガラガラ
病室の扉が開いた
暗くて涙目の由真には…見えない
「誰…?」
「由真…」
「隆二?…隆二なの?」
「由真!!」
由真を抱きしめる今市
「隆二…まだ帰らなかったの?」
「帰れないよ…由真が泣いてる…」
「でも…お仕事…でしょ…」
「先生に言って…あと少しだけ面会時間長くもらってきた…仕事なら大丈夫だから、由真は心配しないでいいよ。」
「隆二……っ」
「由真……これ…」
ポケットから小さな箱を出す
「さっき渡しそびれた…(笑)誕生日おめでとう由真…」
「隆二……」
「あけてみて」
「うん。」
小さな箱には、誕生石の指輪とカギが入っていた
「指輪…だ。カギは?」
「かして」
指輪を渡す由真
薬指にはめてくれる今市
「ピッタリ。」
「隆二…ありがと。でも…サイズよくわかったね」
「由真を抱いた時…指のサイズはかったの。」
「器用だね隆二…」
「だろ?(笑)」
「このカギは?」
「俺のマンションの……合い鍵…」
「え!?」
「退院したら…うちにおいで…」
「隆二…」
「いろいろ考えた…メンバーや友達にも…言われた…でも、俺には由真が必要だし、由真とずっと一緒にいたい…だけど由真の人生はこれからだろ…だから正直悩んだ………由真の将来を俺が奪う形になるんじゃないかって…怖くて…だけど今の俺の由真に対する気持ちは、誰よりも一番だから…これ作った」
「隆二…隆二っ」
由真が今市に飛び込んだ
「由真っ……由真」
「嬉しいっ…隆二の気持ち…嬉しいょっ…私のことちゃんと考えてくれてるんだ…ね。」
「当たり前だろ」
「私、こんな身体だし…いつどうなるかわからない…だから今将来を考えることができない……だから…今日をどう過ごすかでいっぱいで…」
「そんなこと…言うなよ…由真」
「でも…今この瞬間から…私のこれからが見えた気がする。」
「由真…?」
「隆二と……ずっと一緒にいる……」
「ほんとに?」
「うんっ!!」
最高の笑顔で微笑む由真
「由真!!ありがと!」
強く抱きしめ熱い深い長いキスを交わす