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夢…を…見させてくれますか…
第11章 弟の反対
仕事の時間ギリギリまで今市は由真と過ごし病室をあとにした
「由真…俺はお前だけを見てお前だけを思ってる…愛してる」
その言葉は由真の宝物になった
「由真。おはよ」
進藤が病室に来た
「おはよ楓」
「今日は顔色いいね!」
「そうかな。」
進藤は由真の薬指に目をやる
「元気なのはこれのせいかな!!」
由真の手に触れる
「あ…うん」
「彼氏…来てくれたの?」
「うん…昨日遅くに…」
「そっかぁ…良かったね…」
「……うん」
「僕からのプレゼント
…渡してもいい?」
進藤はポケットから小さな箱を取り出すと由真に渡す
「楓…」
「僕も指輪。」
「受け取れないよ…」
「わかってる…それでも…突き返さないで欲しい…由真のために買ったものだから」
「楓…」
「言ったでしょ、由真に好きな人いるの知ってるし邪魔するつもりはない。ただ、僕が由真を好きなの。由真…そばにいさせて…都合よく使ってくれても構わないから…僕を突き放さないで」
「楓………」
「由真…それでいいんだ…悲しくなったら呼んでくれて構わない僕は、いつでも飛んでくる。」
「………」
「大学行ってくるね。帰りまた寄るね」
「行ってらっしゃい」
午後の診察が終わる頃、弟が病室に来た
「姉ちゃん…昨日は……怒鳴ってごめん」
「いいの…真の気持ちわかってるから…」
「姉ちゃん………でも俺は……反対だから…」
「…うん」
弟の気持ちは痛い程わかっている由真だった