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第11章 弟の反対

「楓さん……姉ちゃんと付き合ってください」

弟が進藤を呼び出し頭を下げた

「真……どうした？」

「姉ちゃんは、楓さんと付き合うべきだ…あんな奴と付き合ったら姉ちゃん……絶対泣かされる」

「真は…由真の彼が気に入らないんだ？」

「はい…できたら別れさせたいです」

「じゃあ…僕と真は…味方ってことだね」

「楓さん…」

「僕は由真が好きだよ。でも彼から奪うつもりはないんだ。そんなことしたら由真が悲しむだろ…僕、由真の笑った顔がみたいんだ…」

「楓さんは、それでいいかもしれないけど…きっと姉ちゃん…傷ついて泣くよ…」

「どういうこと？遠距離恋愛だから…確かにつらいだろうけど。うまくいってる感じだよ由真。」

「楓さん…何も知らないから…もういいです。俺…何とかしますから」

「真!!」

走り去る…真









弟が向かった先は、今市の事務所だった


「すみません…今市隆二いますか？」

「あの……申し訳ありませんがお引き取りください」

当然の返事だった


「今市隆二を訴えてやるけどいいのかよ!!」

「お待ちください」


しばらくすると中から男が出てきた

「今市が何か？私、担当をしてるものですが…中にどうぞ…」

事務所に入りソファーに座る…

「今すぐ…姉ちゃんと別れるようにしてくれ…」

「あの…おっしゃってる意味がわからないのですが…」

「姉ちゃんと…今市隆二が付き合ってるんだ…」

「あの……それは…事実でしょうか？」


その時…山下が現れる

「山下!!ちょっといいか？」

「はい…どうしたんすか？」

「今市とこの子のお姉さんが付き合ってて、別れさせて欲しいとか何とかって…」

「この子じゃねぇよ!!山田真だ!!」

「君…由真ちゃんの…」
「山下、知り合い？」

「ここは俺が。」

「頼む、面倒なことは…避けてくれ」

「はい」


「由真ちゃんの弟くんがどうしてこんなとこに？」

「別れさせたい…」

「由真ちゃんの意志？」

「いえ…」


「なら、無理かな。隆ちゃん…ｲﾔ、隆二は由真ちゃんのこと本気だし…」

「信じられない…住む世界が違う……」

「お姉さん思いなんだね…送るよ」

事務所を出る二人