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夢…を…見させてくれますか…
第11章 弟の反対
「隆二は、由真ちゃんに惚れてる。俺は確信してる。」
「姉ちゃんが傷つくの見たくない…幸せになって欲しいんだ…」
「降りて…」
車がある場所に止まる
「どこ?」
「いいから中に入って」
中に入る
「見て…」
…スタジオだ
「今日、レコーディングなんだ。」
今市と登坂がこっちを向いて歌っていた
「俺が見ても…」
「今市…最高にいいよ!!」
スタッフが声をかけている
「ありがとうございます」
「最近いいな!!」
「ね?隆二さ由真ちゃんと会ってから凄くいいんだよ!!彼女が隆二を支えてるんだ!!そして隆二が由真ちゃんを支えてる。」
「……」
「見守ってやってくれないかな。」
スタジオから出てくる今市
「健ちゃん!!お疲れ!珍しいじゃん、ここ来るの?なんかあった?」
「隆ちゃん、終わり?」
「うん!終わったし、由真に会ってこようと思ってる」
「なら丁度良かった。彼、送ってくれるかな」
「彼?」
山下が指をさす先に由真の弟がいた
「あ…どうしたの?」
今市を睨む弟
「由真ちゃんのとこ行くなら頼むよ!!」
「わかった」
「一人で大丈夫だから」
スタジオを出る弟
「待って!!」
今市が後を追う
「真くん…だったよね!!送るよ」
肩を掴む今市
「姉ちゃんと…別れてくれよ…」
「乗って」
今市の車に乗り込む
「真くんの気持ちよくわかる。でも…俺さ由真が…いないとダメなんだ。本気なんだよ真くん」
「信じられないよ」
「どうしたら信じてくれるかな」
「……そうだな…本気なら結婚発表しろよ。できるだろ?」
「それはできない……」
「ほら、やっぱりそうだろ?」
「そんなことしたら由真に迷惑がかかるし君たち家族にも……それだけは…絶対にさせたくない…でも今ここで君だけに誓うことはできるよ」
車を寄せ止まる
弟を見つめる今市
「今すぐは無理かもしれないけど、俺は由真を一生ずっと守っていきたい。守る。」
「………帰る」
ドアを開け降りて走り出す
弟は……少しだけ安心していた
…ピンポーン
「はい!!」
「俺…」
「真!!今開けるね」
出てきた女を強く抱きしめる
「真…!?」
「遥香っ!!」