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夢…を…見させてくれますか…
第13章 幸せな時間
「今、なんて?」
父親が言った言葉を疑う弟
「骨髄移植しか…手がない…」
「なんで!?」
「…真…今父さんにできるは…親戚に検査してもらうために頭を下げることだけだ。」
「嘘だろ…姉ちゃんが…可哀想すぎるだろ…」
「真…」
「今市さんは…どうすんだよ、幸せになろうとしてたんだよ姉ちゃんは!」
「彼には、父さんが会いに行ってくるつもりだ。」
「会ってどうすんだよ!」
「それは…」
「病気だから別れてくれって頼むのか!?」
「真…」
「そんなの…姉ちゃん可哀想だ…」
「真…このままだと、彼に迷惑かかるだろ、今ならまだ…」
「そんな…」
弟が泣いた
その肩を父親が叩く
数日後、親戚中回り検査をしてもらうが、中には断られたりもしたが、かなりの人数が検査をした
そして…
「ただいま!!由真!!」
今市がマンションに帰ってくる
「由真? 出掛けたのか?」
携帯を取り出す
呼び出したが出ない。
しばらく待ったが、夜になっても帰ってこない
:由真?どこにいるの?やっと終わって帰ってきたら由真いないから、少し心配してる。:
ベッドの上でメールを読む由真
携帯を握りしめ泣いた
「姉ちゃん?」
「真…」
「ごめん…何もしてやれなくて…」
「真…大丈夫だよ、みんな痛い検査受けてくれたじゃない。ありがたいよ。」
「姉ちゃん。」
「……隆…に…会いたい…」
「姉ちゃん…」
「会いたいよっ!会いたいっ……」
「姉ちゃん…」
病室を出た弟は、今市のマンションに向かった
…ピンポーン
「由真!!」
ガチャ…扉が開く
「真くん…」
「病院…だよ、姉ちゃん…」
「え!?」
「二週間前…この部屋で動けなくなって…俺に連絡あって迎えにきた…そのまま入院した」
「何で連絡くれないんだ!!」
「連絡したら…来たのかよ…連絡したら戻ってこれたのかよ…姉ちゃんがなぜ俺を呼んだかわかるだろ…」
「………病院いくよ」
「車停めてある、乗れよ…連れてく、病院変わったから」
「悪いのか?容態わ?」
黙ったまま病院に連れていく