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夢…を…見させてくれますか…
第13章 幸せな時間

病室の前に今市が立つ

「真くん…由真…悪いのか…」

「………」

「真くん!!」

その時、由真の父親が病室から出てきた

「今市くん!なぜ!?」

「真くんが、マンションに来てくれて、」

「そうですか…少し時間いいですか?」

「はい。」

父親は…待合室に今市を連れていく


「この病院が、何の専門病院かわかりますか?」

「いえ……」

「このフロアは…まだ普通の病室が並んでますが…検査の段階だからです。この上の階からは、全て無菌室の病室になってます。由真は…そこに移ります…」

「無菌室…ですか…?」

「はい…」

「あの…どういうことなんでしょうか…」

「再生不良性貧血…です…聞いたことあるでしょ」

「…………はい…」


「由真の場合は…6型で…………」

言葉が詰まる父親

「お父さん……由真は………」


「移植しか……手がないんです…」


「え!?……」


「骨髄移植しか……でも……家族親戚は…ほぼ合わない確率が多いんです……ドナー登録者の中から…しか…でも…いつできるか…」


「そんな……」

今市の手が震え出す

「今市くん…由真の父親として、お願いします。娘とは…別れて欲しい……こんな状況なんだ…このまま…黙って帰って、娘のことは忘れて欲しい…お願いします。」

深く頭を下げる


「………無理です」


「今市くん…娘のためなんだ。わかってくれないか…」


「お父さん……無理ですから…由真を手放さないって…由真を離さないって…約束したんです。」

「君は……娘を悲しませたいのか…」

「え?」

「娘も…今の姿を君に見られたくないはずだ…これからの治療で……かなりダメージがある…そんな姿…」

今市は頭を抱えた…


「帰ります…」

今市は立ち上がる


「わざわざ来てくれてありがとう。わかってくれたんだね。娘は…必ず私たち家族が助けてみせますから、君も頑張って!」

何も返事をせずに病院をあとにする今市


「父さん!あいつは!?」

「帰ったよ」

「は!?帰った!?なんで!?」

「そういうことだ…有名人だ…重荷になることは避けたいだろ…」

「ふざけんなよっ!」

後を追う真を父親が押さえつける

「父さん!離せよ!」

「真!」

膝をつき泣き出す真…
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