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夢…を…見させてくれますか…
第15章 肉体的精神的経済的
「お父さん…これ使ってください。」
「きみ…これ」
「使って欲しいんです」
「これは受け取れない、ましてや君からなんて。」
「お父さん、お願いします。受け取ってください、俺は別に使い道ないし…今欲しいものもないし金も必要ない仕事してます。だから…お願いします」
「今市くん…っ」
頭を下げる父親
「お父さん…俺も今由真が元気になることだけを考えてます。」
「ありがとう…ありがとう」
「お父さん…一緒に頑張りましょう」
今市と父親が手を合わせる
「由真のとこに行きますね」
今市は由真の元に戻る
ガラス越しに由真を見つめる今市
由真は目を開け今市をゆっくりゆっくり見つめる
「由真…頑張れ」
由真の目から涙が流れていた
「由真!!愛してる」
目を閉じる由真
祈る今市。
次の日から由真の検査が始まった。
朝から夜まで何度も何度も身体中いじられる。
「ちょっと熱がありますね。」
「大丈夫ですか?先生!!」
今市が聞く
「大丈夫ですよ。安心してください」
今市は由真のそばから離れたくなかった
しかし、仕事に戻らないといけない不安に陥っていた
「先生…由真と話しできますか?」
「少しなら大丈夫ですよ…」
「ありがとうございます」
チェックを受け中に入る
「由真…」
ゆっくり目をあける由真
「りゅ…ぅ」
「辛いだろ……」
「……ぅん、」
「由真…俺…明日から仕事にもどらないといけないんだ…ごめんな…でも、必ず由真の顔見にくるから。待っててな」
「ぅん…頑張って」
「じゃ、行くよ。由真…愛してる」
触れることができない今市は由真をずっと見つめる。
由真も見つめる。
涙が目からこぼれ落ちる
今市はつらい気持ちで出るしかないことに悔しかった。