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夢…を…見させてくれますか…
第17章 ナオトの気持ち
「なぁ…健ちゃん、」
「ん?」
「ナオトさんて…恋人とかいたりする?」
「そりゃ、いるだろ。」
「いても、他の女に服とかプレゼントしたりするのかな」
「ん?どした、隆ちゃん」
「由真にさ…ナオトさんワンピース買って持ってきたみたいで」
「うそだろ?」
「だろ?信じられないよな…」
「まぁ…なんでだよ。」
「わかんね」
「まぁ、気にすることないんじゃないか。」
「かな」
「気になるなら本人に聞いてみろよ」
「…うん」
でも聞けるわけもなく…
「姉ちゃん!!今日今市さんテレビ出るぜ!!」
「えぇ!!見たいっ!!」
「ほら!!」
携帯のテレビをつける。
生放送の音楽番組だった
テレビには、今市とメンバーが映っている
テレビの中の今市は、どことなく違う気がした由真だった
「どした?姉ちゃん」
「違う人みたい…」
「これが仕事の顔なんだよ、姉ちゃん…」
「うん…」
「姉ちゃんに見せるアイツが本当のアイツなんだよ」
「その、アイツってやめなさいよ。」
「だって…アイツはアイツだろ。」
「もう!!今市隆二って、名前があるんだから!!」
「はいはい!!」
「真!!」
「怖っ!!」
「早く帰りなさい!!」
「…うん。」
「どうしたの?」
「父さんには、言うなって…言われてるけど…」
「何?」
「金…アイツ出してくれた」
「何の話し?」
「ここの、入院費やら治療費とか…」
「なんで!?」
「限界があんだよ……姉ちゃん…父さん…親戚回って工面して…それ、アイツ知って…自分の通帳持ってきた」
「そんなっ…」
「姉ちゃん…」
「…出てって」
「姉ちゃん…」
「誰も入れないで」
「…姉ちゃん」
「いいから!!出てって!!」
弟が出て行く
由真は…泣いた…泣いて…決めた