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夢…を…見させてくれますか…
第18章 好き
「由真…弾いてみろよ」
ピアノが置いてある部屋に行く
「素敵…」
「弾けよ、由真のピアノだ」
「うん」
静かに弾き始める
目を閉じ、今市を思い、オリジナルの曲を弾いた
今市も静かに聞いていた
どのくらいたったかわからない…
「由真…」
後ろから抱きしめる今市
「りゅ…」
「そろそろ帰ろ。」
「うん、ありがと」
「凄く上手なんだなピアノ。」
「お母さんに教えてもらったから、小さい頃からずっと。」
「いい曲だった。なんて曲?」
「入院してる時に作ったんだ…りゅのこと思いながら。タイトルも歌詞もないけど、メロディーは得意なの。楽譜書くのが好きだから」
「へぇ、オリジナルってことか、何か気に入ったな、また聞かせて」
「うんっ!!」
「それから…これ」
今市がワンピースを渡す
「え?」
「由真には、こっちが似合う!!」
「りゅ…が、選んだの?」
「…うん、」
「りゅ!!ありがと!」
今市に抱きつく由真
「由真…っ…可愛いな」
「りゅ…大好きっ!好きっ!!」
「はぁ…帰したくない」
強く抱きしめる
「泊まっても…いいよ」
「ばか…っ…真くんと約束したから…だぁめ…でも、改めて迎えに行くからな…ここに戻ってきて…」
「はい」
今市の車に乗り込み実家に帰る
「真!!ただいま!!」
「姉ちゃん!!大丈夫か!!」
「真くん、大丈夫だよ!!」
「ありがとうございました。」
「あぁ!!じゃな!!由真、ゆっくり休めよ!!」
「うんっ…ありがと、いろいろ…」
「あ…ちょっと上がってもいいかな…お母さんに…」
「りゅ…」
「おじゃまします」
仏壇に手を合わせる今市
「りゅ…ありがと」
「じゃ、行くよ」
玄関先で抱き合う二人を、優しく見つめる、真…
「姉ちゃん…良かったな」
「真も…いろいろありがとね」
「うん、」
久しぶりの自分の家に安心する由真だった