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まだ見ぬその先へ
第1章 羊が1
夏がまだ終わりを告げていない9月
あたしは新しい高校に転校してきた。

今では珍しいマンモス校のその高校は
12クラスもあり、あたしは5組に編入した。

担任があたしを紹介する。


『今日からうちのクラスに新しい仲間がきました。
一之瀬雛(いちのせひな)さんです。
みんなよろしくね』

「一之瀬雛です。よろしくお願いします」

あたしは担任から言われた席にすわり
まだ慣れない教室に辺りを見回していた。

休み時間になりクラスの女子が声をかけてくれた。

『一之瀬さん。トイレとかまだわかんないでしょ?
あたし達行くんだけど教えておこうか?』

「あ…ありがとう。えっと…」

『あっあたし仁科加奈。カナでいいよ』
『あたしは金本梨香。リカで~す』

「うん。カナちゃん。リカちゃん。ひなです」

『さっき聞いたから知ってるし(笑)
ヒナって面白いね。天然?』

「天然かなぁ?癖っ毛ではあるけど…」
と髪をさわると
リカはまた笑った。

『やっぱ天然だわぁ(笑)やばい!かわい!』 


天然ボケと天然パーマを間違えていたなんて
その時はわかってなかった(T_T) 

カナとリカは転校初日から仲良くしてくれた。
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