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泡のように
第18章 17.
「すっげー。バレても知らねぇよ」
「秋芳がバレないようになんとかするんだって」
「マジで!」
「ねぇ、用がないなら、もうあっち行ってよ」

 病室のお母さんのように、手をヒラヒラ振って木戸を追い払おうとする。が、木戸は相変わらずニヤニヤ笑って私を見つめていた。

「あのさぁ、この前から気になってたんだけど、八田先生とどういう関係なん?」

 突然木戸の口から八田、という名前が飛び出したから驚いた。

「は?え?八田って・・・」
「学校に来てたろ。八田篤志先生。職員室で見かけた。あのあと秋芳と3人で話ししてたろ」
「え、なんであんた、お兄ちゃんを知ってるの?」

 木戸もまた、細い目を丸く見開いて驚いていた。 

「ウッソ!お兄ちゃんって、お前ら兄妹なの?マジで?全然似てねぇし!ヤベー!リュウにも教えてやろ」

 木戸は笑いながらスマホを弄りだした。

「ちょっと、ねぇ、なんで知ってるのか教えてよ」
「なんでって、中学の時担任だったし」

 スマホに視線を落としたままの木戸に、さっきのマネをして唇を鳴らした。

 冷静に考えたら、ありえない話ではない。
 お兄ちゃんの勤務先の中学は隣市。
 木戸も隣市から通学していたはずだ。

「タカギって分かるか?あいつも同じクラスだった。俺らが補導されたとき何度も迎えに来てくれたから名前もたぶん覚えてるよ。リュウとトラって言えば絶対分かるって。お、返信きた!」

 リュウとトラ、何だよその80年代ライクなアダ名。
 とか思いつつ、何度も笑って頷いた。

「ねぇ、お兄ちゃんってどんな先生だった?」

 思いのほか私が食いついたからか、木戸は少し得意な表情で笑っていた。

「えー?いい先生だけど気が弱いからナメられてたな。でも女子にはモテてたんじゃねぇかな。つうか、なんで山岸さんは日本人顔なのに、八田先生はハーフ顔なん?名字もちがうし。おかしくね?」

 またもや木戸はひとりで言ってひとりで笑っている。

「おかしくないよ。お兄ちゃんは養子だから。私とは血が繋がってないから似てなくて当然」

 木戸はピタリと表情を固めた。

「ごめん。失礼なこと言ったな」

 素直はバカの最大の長所と言えよう。
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