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第2章 獲物

堀口忍

彼はこの高校に入学したことが、今でも信じられなかった。

高校なんて、どこに行っても一緒。文科省が極端に差別化を推奨しない限り、習うことは変わらない。寧ろ大学こそが大切で、どこに入学するのかが重要になるのは大学だ。そう思っていた。

忍の地元は偏屈な県で、企業に入って重要視されるのは、どこの高校を卒業したのかによって、学閥が分かれるというところだった。

忍はそんな風潮が自分に合っていないと感じ、将来は東京や大阪といった、自分のことを知っている人間がいない大都市で働くんだ。そう思っていた。

忍『まぁ、悪くはないかな…』

忍はその様に考えていた。