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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

達巳が謹慎になってから数日。
あたしと摩耶は、写真を展示した写真部の生徒を見つけ出していた。
Γで?あんたはやってないって?」
教室の壁際に追い詰められたひ弱そうな男子生徒は、摩耶に問い詰められて怯えている。
あたしは、その摩耶の後ろでただ見つめるだけ。
壁に手を付け、ジリジリと責める摩耶。
Γだ、だからっ!僕じゃありません!本当は別の写真を展示するつもりだったんですからっ!」
Γじゃあ、誰がやったの?
Γし、知りませんっ」
この生徒は知らないの一点張り。
他の写真部の生徒を聞き出すと、漸く解放され教室を一目散に飛び出していった。
Γ一人、一人聞くしかないか…」
摩耶がくたびれた顔をしてあたしを見る。
Γもう、いいや」
Γは?」
あたしが溢した言葉に摩耶は顔をしかめている。
あたしは、摩耶を見つめて言葉を吐き出す。
Γだって、犯人が分かったとしても達巳の処分は変わらない。だったら、無意味かなって」
Γじゃあ…あんたは、犯人が陰で笑ってるの耐えれるわけ?確かに達巳君がバイトしてたのは事実だけどさ!こんなやり方で晒されて…黙ってられるわけ?」
Γ嫌だけどさ…達巳がもし…退学になったらってそればっかり頭をぐるぐるしてて、今だってあたしはただ見てるだけ」
彼氏が大変な時に、あたしはただ呆然としているだけで。
達巳のこと、守りたいと思ってたのに実際は守れなくて。
そんな弱い自分が情けない。

