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ラストチルドレン
第4章 零れていく砂のように・堕ちる暗闇

「全員揃ったな。これからミーティングを始める。まず、うちの会社に新人が入った。秋山達巳…だったか?皆、指導よろしくな。次に今回の現場についてなんだが…」
俺の紹介はあっさり終わり、どうやら強面のオジサンはここの監督さんらしい。
面接も社長しか居なかったから、皆初対面だ。
筋肉ムキムキのマッチョマンから、ひょろ長い人、肌が異常に黒い人。
年齢層もバラバラに見えた。
周囲の人を見渡していたら、知った顔があった。
どうやら、あちらも驚いているみたいだ。
何で、ここに?
そう思いながら、視線を監督に戻した。
嫌な音が心臓からする。
どうか、何もありませんように。
ミーティングが終わり、俺は先輩に呼ばれ車に乗り込む準備をしていた。
準備と言っても、ただ自分の荷物を持つだけなのだが。
「達巳、久しぶりだな」
やはり、声を掛けてきた。
俺は苦笑いで答える
「お久しぶりですね、郷田センパイ」
「退学になって、こんなところで働くとはな」
「センパイこそ、学校はどうしたんですか?」
そう言うと、郷田の顔は歪んだ。
「お前の可愛い女のせいで、俺まで退学だよ。聞いてないのか?それとも嫌味か」
「楓が?」
「本当、お前らには世話になったよ。たっぷり返してやるからな!」
郷田が違う先輩に呼ばれ車に乗り込むの見送った。
「秋山早くしろ」
「はい!」
楓が郷田を退学に?
そればかり頭の中を駆け巡る。

