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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

何事もなく平和に過ぎていく日々…
郷田とはあの初日以来、顔を合わすことも無かった。
どこかホッとしている自分が居て情けないなと肩を落とした。
「何、元気ねぇな、給料日だってのによ」
「高峰さん…」
高峰さんは同じ現場の先輩で、歳も俺と三つしか変わらなくてすぐに仲良くなった。
「溜息は運と女を逃がすんや!シャキッとしいや」
「そうですね、気合い入れますわ」
「そうや、今夜は女に旨いもん奢ったれ!そのあとはしっかり抱いてやらんとな」
高峰さんは下品な笑い声を上げて、肩をバシッと叩いた。
「独り身は虚しくキャバクラにでも行こうかな~」
「高峰さん、無駄遣いしたらダメですよ?」
「わかっとるわ!もう借金はこりごりや」
高峰さんは、女好きで金遣いが荒いらしい。
先月やっと借金を返済したとか…。
いい人だけど、少し心配な先輩だ。

