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ラストチルドレン
第5章 絶望の果てに・失った光

その晩、楓を誘って少し奮発してレストランに行った。
このレストランは高峰さんが紹介してくれた。
女を連れてきたら100パーセント感動させられるからと。
どんなお店か知らないが、取り敢えず向かった。
楓は、いつもよりお洒落をしてきたのか少し大人ぽい雰囲気だった。
「一段と今日、可愛いな」
「そう?いつもと変わらんよ」
そう言いつつ、顔を赤らめる楓が愛しい。
レストランは、思ったよりも砕けた感じで居心地が良かった。
客層もファミリーが多く、しかしファミレスよりはかしこまった感じで少しだけ金持ちになった気分にさせてくれるのは、きっとスタッフの対応が素晴らしいからだと思う。
それは、ドラマのように椅子を引いてくれたり紙ナプキンをして食事をしたり、ピアノが置かれていて、ピアニストが演奏してくれたり。
料理の説明も丁寧で、聞いたことのないメニューがあっても俺が恥をかかないようにサポートしてくれたり。
「すごいね、ホントお洒落。大人になったみたい…」
「俺はもう大人だよ?子供なのは楓だけ」
「フン!良いもん。子供で。じゃあ達巳はオジサンだね」
「何だとぉ~!」
ケラケラ笑いながら、俺たちは最高の食事を終えた。

