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ラストチルドレン
第1章 拾われた体・あたしの気持ち

夜の空を眺めたって星が疎らに光っているだけ。
一つ一つの光は、地上の人工的に作られたそれとは比べ物にならないくらい暗くて地味。
純粋な光を綺麗と思うか、あたしのように地味だと思うかは人それぞれ。
空気はひんやりとして、あたしの体を冷やしていく。
まるで、ここに居ろよと言われているみたいに足元が冷えきったせいで動かない。
手に持っていたカイロはとっくに役割を果たしてただの紙屑のようになっていた。
何時間居たのだろう。小高い丘の上、達巳のお墓しかないこの場所で。
あたしは、ただ空を見上げた。
ねぇ、あたし間違いだらけの人生だったけど
まだ生きていかなきゃならないの?
いつになったら、達巳に会えるの?
それとも、達巳が言ったように
忘れてしまったらいいのかな?
だったら、こんな場所にお墓を作るな。
こんな遠い場所にあったら
あたしは、ここに来るために
必死に生きちゃうじゃないか。
達巳が死んだ日。
あたしも死んだら良かったのにね。
口から吐き出す息は白くて、もやっと空に消える。
あたしはまだ生きている。

