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ラストチルドレン
第2章 捨てられた子供・気付かない親心


梅雨が明けて、夏の訪れを感じさせる太陽の暑さを全身に浴びながら、屋上の床に寝転がる。

雲の流れをひたすら見つめていると、自分の心も何処かに流れて行ってしまえばいいのにと、思う。

瞳とは、カズさんを紹介されてから学校では絡んで居なかった。

誰もが二人は別れたんだと、察してくれたのか不思議とその話題は出なかった。

ただ一人、空気の読めない翼だけは俺に詳しく話を聞いてきた。

「瞳ちゃんと、別れたの?ねぇ、もしかしてやっぱり楓が好きやったんやろ?」

翼は、一度楓にフラレた金髪ヤンキー。

未だに、楓に未練があるらしい。

その証拠に、楓がフッた時に言った「金髪の彼氏とか嫌だから」という言葉を聞いて黒髪を維持している。

意外に根は優しくて、愛されるバカだ。

俺はその時、翼にこう言った。

「楓は特別な友達なんや。彼女よりも大切かもしれん」

瞳と付き合って女の面倒臭さを知ったおかげで、余計に俺の中で楓は他の奴とは違うと実感した。

飼い猫だったアメリカンショートヘアーの鈴に似ていて、どこか放って置けない存在で。

鈴も、俺が名前を呼ばないと近付いてこない。

けれど一度呼べばずっと隣で尻尾を振りゴロをふかせていた。

その鈴は、俺の手から離れて外に飛び出してしまった。

部屋で飼っていたから、外の世界なんて知らないくせに。

今頃元気にしているんだろうか?

鈴は、幸せに生きているんだろうか。






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