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ラストチルドレン
第2章 捨てられた子供・気付かない親心

隣で同じく寝そべっている楓の横顔をチラリと見れば、綺麗
な肌をしていて、やっぱり女子だなと思ってしまう。

伏せている目から伸びる長い睫毛。

プルンとした唇。

半袖の制服に変わって、見えてしまう細い腕。

きっと、男子なら守りたくなるような女子。

けれど、他の男子には威圧的で鋭い眼光を浴びせる。

男嫌いなのかと思ったが、俺は立派な男子だし少なからず楓にとって、心を開ける男子なのかな。

少しだけの優越感。無防備なその寝顔を見ていると何だか子供みたいで笑えてくる。

そういえば、去年の夏は楓と学校以外では会わなかった。

バイトばかりして日焼けした俺と、海に行ってきたと白い歯を見せて笑った小麦色の楓。

羨ましいと思った。遊びたいのに遊べない俺とは違って楓は友達と海かと思うと心が沈んだっけ。

今年は、少し余裕があるから楓を誘って海に行こうかな。

水着とか持って、海で泳いで。

海の家で腹いっぱい飯食ってさ。

疲れたら休んで、また遊んで。

夕方になったら、海に落ちる夕日を見て。

いいな、高校生らしい夏休みの思い出。

俺にも一回くらい、そういう思い出作ってもいいよな。

楓が起きたら誘ってみよう。

きっと、楓となら楽しいよな。


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